CRDS Topological Quantum Matter Initiative team

2017.06.10 update

佐藤は、2016年度、JST研究開発戦略センター(CRDS)においてトポロジカル量子戦略チームのメンバーを努めた。
このページは、本グループの活動の一端の記録である。

ワークショップ「トポロジカル量子戦略」開催

  • 日時:2016.12.19, 10:00-18:00
  • 場所:JST東京本部別館2階セミナー室
  • 開催趣旨
  • ワークショッププログラム
  • ワークショップ・レポート速報版
  • ワークショップ報告書

  • 2017.3 (ワークショップ報告書)科学技術未来戦略ワークショップ「トポロジカル量子戦略〜量子力学の新展開がもたらすデバイスイノベーション〜」/CRDS-FY2016-WR-12 のExecutiv summaryがWebにアップされた。
  • エグゼクティブサマリー: 本報告書は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)が平成28年12月19日に開催した科学技術未来戦略ワークショップ(WS)「トポロジカル量子戦略〜量子力学の新展開がもたらすデバイスイノベーション〜」に関するものである。
     現在、情報通信技術や人工知能技術の進展を支える電子デバイスは、微細化・高速化・低消費電力化への要請が世界的に高まり続けているが、ムーアの法則の終焉が近づいていると認識されているように、既存のデバイスや技術では性能向上の限界が顕在化しており、新しい技術的なパラダイムが希求されている。本ワークショップは、限界突破を目指すアプローチの1つとして、近年急速に発展しているトポロジカル物質群とトポロジーに付随して発現する多彩な物性に関する研究開発に着目する。トポロジーの概念に立脚した量子力学の新たな展開を加速すると共に工学応用領域のデバイスイノベーションを目指す一連の研究開発戦略「トポロジカル量子戦略」を掲げ、研究の現状の把握、今後取り組むべき研究開発課題の抽出、固体物理・素粒子物理・数学・工学が融合・連携するための仕組みなどについて第一線の研究者と議論することを目的に開催した。
     ワークショップでは、まず、JST-CRDS における調査・分析結果から得られた全体像、課題、研究開発戦略検討の仮説を提示し、その後にトポロジカル物質に関する研究の現状と将来展望、数学・素粒子物理から見たトポロジカル物質の理解、さらには量子コンピューティング・スピントロニクス・フォトニクスなどへの具体的な応用展開に関する話題提供、最後に総合討論を行った。
     総合討論では、主に世界をリードするための研究実施体制・産学連携の仕組み、および社会・経済的インパクトについて議論を行った。本研究分野を推進していく上で重要なことは、米国や中国のような人海戦術ではもはやわが国に勝ち目はなく、若手研究者の活用および異分野融合・連携を加速させつつ、現存のリソース(ヒト、モノ、カネ)を効率よく組み合わせた戦略的な研究実施体制を構築することが重要であること等の共通認識が得られた。また、まだ基礎研究の段階ではあるものの、実用化されたときのインパクトが大きい分野になる可能性を秘めているため、産業界を巻き込んだ研究コミュニティを形成することが重要であること等の指摘があった。
     本ワークショップでの議論を踏まえてCRDS では、今後国として重点的に推進すべき研究開発領域、具体的な研究開発課題、その推進方法の検討を含めて、戦略プロポーザルとして提言を発行した(戦略プロポーザルは2017年3月末発行)。
  • 戦略プロポーザル

  • 2017.03 (戦略プロポーザル)トポロジカル量子戦略 〜量子力学の新展開がもたらすデバイスイノベーション〜/CRDS-FY2016-SP-02
  • エグゼクティブサマリー  「トポロジカル量子戦略」とは、近年急速に発展しているトポロジカル物質群およびトポロジーに付随して発現する多彩な物性に関する研究開発に着目し、そこで生じている量子力学の新たな展開を加速すると共に工学応用の実現を目指す研究開発戦略である。現在、情報通信技術や人工知能技術の進展を支える電子デバイスに対する微細化・高速化・低消費電力化への要請が世界的に高まり続け、既存のデバイスや技術では性能向上の限界が顕在化している中、新しい技術的なパラダイムが希求されている。このような状況の中、トポロジカル物質群が示す特異な現象・機能を活用することで、量子コンピューティングやスピントロニクス、フォトニクス等における従来の技術的枠組みを超える新規な概念を導入し、デバイスイノベーションを起こすことを目的とする。
     本提言では、物質が持つトポロジカルな性質を活用した具体的な工学応用へ向けた技術開発と、関連する学術基盤の一層の強化を掲げ、取り組むべき研究開発課題として「理論体系の構築」「物質創製・制御基盤技術開発」「デバイス応用技術開発」の3つが挙げられる。これまで、トポロジカル物質群の発見や現象は、理論研究が先行してその存在を予測し、実験によって確認されてきたが、今後の工学応用を実現するためには、理論を体系的に構築し、トポロジカル物質群が活躍するデバイス工学の舞台を磐石にすることが不可欠となる。さらに、新しい物質の創製と、材料・工学的な制御技術、その際同時に求められる新たな計測・評価技術を開発することが必要である。
     具体的な応用先として量子コンピューティング、スピントロニクス、フォトニクスの3つをまずは念頭におくが、さらなる新概念の創出も期待されることから、例えば、フォノニクス、メカニクス、化学反応など、新分野の応用展開可能性についても検討する。
     トポロジカル量子戦略の研究開発にあたって、これまで行われてきた基礎研究から研究開発のステージを一段上げるギアチェンジが求められ、物性物理学、数学、素粒子物理学の学術的知見を備える研究者と、工学研究者や企業研究者が共同して取り組むことが重要である。さらに、海外研究機関との戦略的な連携や、人的な交流についても積極的に検討することが重要である。

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