■051 「あなたの家の屋根を借ります」−地域集中連系型太陽光発電


第051項の図 【戸別系統連系は不安定な発電所】
通常の家庭用太陽電池の場合、各戸が発電した電力を戸別で消費した残りの【余剰電力】を系統に供給しますが、図1に例示するように、各戸で戸別に系統連携すると、各戸からの出力と系統と間の電気の流れ(潮流)は、逆潮流(売電)と順潮流(買電)が頻繁に切り変わります。つまり、余剰のある場合は系統に供給されますが、不足だと系統から購入することになりますから、出入りの激しい不安定な発電所であることがわかります。このような発電所が多数つながると、系統が不安定になり、送電系統の負担が非常に大きくなります。戸別にパワーコンディショナーを置くのも非効率です。また、各戸が余剰電力を系統へ送る際に、送電の総電力が限界値を超えると、システム効率が低下します。
【地域集中連系型太陽光発電システム】
戸別連系の問題点の解決につながるのが、地域集中連系型太陽光発電システムです。このシステムでは、地域のすべての家の太陽光発電パネルからの直流出力をまとめて、集中パワーコンディショナー・系統連系装置を通して交流に変換して、系統に供給するのです。さらには、日照の不安定さを補うために二次電池にたくわえるしくみをとると、安定な発電所として使うことができます。各戸は屋根を貸すだけで、供給量に応じた売電代金を受け取ることができます。
【ソーラータウンの実験がはじまった】
このような地域集中連系型太陽光発電の取り組みがソーラータウンとして実施されています。図2はソーラータウンの概念図です。ソーラータウンは、蓄電機能を有するので、後で述べるスマートグリッドの一要素になり得ると考えられます。


要点Check:
  • ソーラータウンは戸別連系より安定かつ効率的な系統連系が可能
  • ソーラータウンには蓄電機能があるので、スマートグリッドの一要素になる