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夏は、日照時間が長く、日射強度も大きいので、太陽電池にとって有利だと思われます。確かに7〜8月の発電量は他の月の発電量に比べて若干大きくなっていますが、必ずしもずばぬけては大きくありません。これはなぜでしょう。実は、太陽電池は暑さが苦手という事情があるからなのです。 図1は、ある夏の晴れた日の筆者の家における、太陽電池モジュールの温度と外気温の時間変化を示しています。通風を考慮した設置にもかかわらず、図1の点線のように、外気温の最高値は33℃ですが、モジュール温度は61℃にもなっています。 図2は、多結晶シリコン太陽電池の最大出力Pmaxの温度依存性を示しています、Pmaxは1℃あたり0.66%の割合で低下します。モジュール温度の最高値61℃と標準温度25℃の差は36℃もあるので、出力は0.66×36=23.8%も低下するのです。本来なら3kWあるはずの太陽電池の出力が実際には2.3kWしかでないことになります。 なぜ、温度が高くなると、出力が低下するのでしょうか。これは、太陽電池が半導体のpn接合ダイオードであることから生じています。(009)によれば、太陽電池の動作状態(009の図3)は、暗状態(009の図2)のダイオードの逆バイアス状態に相当します。温度が高くなるとダイオードの逆方向電流が増大することによって、出力電圧が減少することが主な原因であると考えられています。 要点Check: |