■007.季節や時間や天候でこんなに変わる太陽光のパワー


第007項の図 図1は、筆者の家で計測した晴れた日の日射計(傾斜面26.5°)の出力変化を表したものです。
夜明けから時間がたつにつれ太陽が真上に近づくともに増大し、南中時に最大になったあと、午後は斜め方向から照らされるので少なくなり、日没とともに光量がなくなる様子が見られます。
太陽光発電パネルを屋根に固定している場合には、発電出力は、日射計とほぼ同じような時間変化をします。ある地点の日射の時間変化は、その地点の緯度経度、日時、太陽の高度、方位、パネルの傾斜角からシミュレーションによって計算することができます。この曲線の下の面積が一日分の傾斜面日射強度になります。(注1)
図2は、筆者の家で計測した2008年9月の1日日射量(一日分の傾斜面日射強度を時間積分した光のエネルギー)の月変化です。【1日中晴天の日には6kWh/m2の日射量】がありますが、曇りの日は3kWh/m2程度、【雨の日にも1kWh/m2近く】あります。雨の日にも散乱光があるから、ゼロにはならないのです。
図3は、ある年の日射量の年変化を示しています。雨の多い梅雨時と日照の弱い冬に低い数値を示しています。
このように【太陽光や風力など自然エネルギーは時間変動の大きいエネルギー源】であることは知っておく必要があるでしょう。

要点Check:
  • 太陽光の日射強度は時間とともに変化し南中時にピークになる。
  • 雨の日も散乱光があるので日射量はゼロにならない。

  • 注1
    大規模太陽光発電施設(メガソーラー)では、パネルの向きを時間とともに変えて常に太陽光を追尾するようになっているため、太陽のでている間はほぼ一定の出力が得られている