エレクトロニクスII ミニテスト 2002.11.22(木) 佐藤勝昭
問題1 右図のようなRとCでできた回路がある。3-4には負荷を接続していないとする
(1)
端子1-2間に角周波数ωの交流電圧Eを加えた。
端子3-4の間の電圧V0を求めよ。(10点)
(2)
抵抗とコンデンサのインピーダンスが等しくなる角周波数ωcを求めよ。(10点)
(3)
ω>>ωcのとき、V0はωの増加とともにどうなるか、言葉で答えよ。(10点)
(4)
R=100W、C=100mFとして、1-2間にf=10Hz, 20Hz, 100Hzの交流電圧10Vを加えたときの3-4間の電圧の値を求めよ。(10点)
(5)
この回路が整流回路において脈流を直流にするために使われる理由を述べよ。(10点)
問題2 あるダイオードの順方向特性は右図で表されるとする。このとき次の問に答えよ。
(1)
ダイオードに直列に100Wの抵抗を接続し、直列回路の両端に7Vの直流電圧を順方向になるように加えたとき、ダイオードに流れる電流ID、ダイオードの両端の電圧VD、抵抗の両端の電圧VRを図に負荷線を描いて求めよ。(20点)
(2)
もし、上の回路に先頭値が±7Vの正弦波交流を加えたときダイオードの両端の電圧の波形はどうなるかを図示せよ。なお逆方向電流はゼロと仮定する。(10点)
問題3 ダイオードの逆方向に電圧を加えると、電圧によって容量を変えることができる。その理由を述べよ。(10点)
問題4 ダイオードブリッジの図を描き、それを使って交流が全波整流できる訳を考えよ。(10点)
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エレクトロニクスII ミニテスト解答用紙
学年 学籍番号 氏名
問題1
(1) |
端子3-4の間の電圧V0 (10点) |
平均点5.7 |
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(2) |
角周波数ωc (10点) |
ωc=1/RC
平均点6.7 |
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(3) |
V0はωの増加とともにどうなるか言葉で答えよ。 (10点) |
ω>>ωcにおいては|V0|→E/ωCRのようにωに反比例して減少する。 平均点6.1 |
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(4) |
3-4間の電圧の値 |
10Hz |
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20Hz |
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100Hz |
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(10点) |
平均点2.0 |
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(5) |
脈流を直流にするために使われる理由(10点) |
脈流は、直流成分に多くの高周波成分を含んでいる。この回路は、高周波をカットするので、脈流を直流にすることができる。
平均点3.5 |
問題2
(1) |
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E=VD+IDRにおいてE=7V, R=0.1kW IDはmA単位とすると、 ID=(E-VD)/
R=(7-VD)/ 0.1=70-0.1VD これをグラフにすると、左図のようになる。 |
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グラフより、動作点として ID=62mA VD=0.81V が読みとれる。 抵抗の両端の電圧は VR= IDR=62mA´0.1kW=6.2V |
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(20点) |
平均点(グラフと数値) 18.4 |
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(2) |
ダイオードの両端の電圧波形の図示 (10点) |
平均点 8.2 |
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問題3 (10点)
逆方向に電圧を加えると、電圧によって容量を変えることができる理由 |
pn接合ダイオードに逆方向電圧を加えると、電圧とともに空乏層が広がり、コンデンサの電極間距離が広がるのと同様の効果がおきて、電圧によって容量を変化することができる。平均点 6.6 |
問題4 (10点)
ダイオードブリッジの図 |
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それを使って交流が全波整流できる訳 |
ダイオードは、順方向の電位差があればONになるスイッチである。交流電圧がAがCに対して正ならば,上の左の図のようにA-B, C-DがONになりBが正、Dが負になる。一方、CがAに対して正になれば右図のようにC-B, D-AがONになり、やはり、Bが正、Dが負になる。 |
平均点 6.7 |