エレクトロニクスII 佐藤勝昭教授(量子機能工学研究室)2002年度後期13回授業配付資料 H15.1.31 

金曜日1限 12番教室 テキスト「竹村:電子回路の基礎、コロナ社」

E-mail: satokats@cc.tuat.ac.jp  URL: http://www.tuat.ac.jp/~katsuaki/

12回講義で学んだこと

hパラメータとエミッタ接地増幅回路の等価回路について学んだ。

 

13回講義で学ぶこと

      差動増幅器

差動増幅器とは、特性の等しい2つのトランジスタのエミッタ抵抗を共通化したもので、2つのトランジスタのベースに加えられた電圧の差が増幅される。この増幅回路には、次のような特徴がある。

(1)   雑音に強い:2つの入力に共通に加えられた同相の雑音は、出力で相殺されて、信号成分だけが残る。(Common mode rejection)

(2)   広帯域である:正負の電源を用いるので、入出力が直流的に0電位付近で動作する。DCからカットオフまで用いられる。

(3)   負帰還がかけやすい。

(4)   入力インピーダンスが高い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

演算増幅器(OPアンプ)

      一種の差動増幅回路:

      昔、アナログコンピュータのパーツとして用いられた。

(1)     増幅率が高い A>105

(2)     入力インピーダンスが高く出力インピーダンスが低い

(3)     周波数帯域が広く、直流から使える。


 


OPアンプ回路の基本

(1)     理想オペアンプでは、反転入力端子と非反転入力端子の間には電流が流れない。

(2)     出力電圧は、反転入力端子と非反転入力端子の間にある電圧の増幅度Av倍である。Av=105以上(at 直流)

(3)     負帰還回路においては、反転入力と非反転入力の間の電位差は、ほとんどゼロになる。これを仮想短絡または仮想接地という。

 

OPアンプ回路

(1)     逆相増幅回路(反転増幅回路)

 

 

 

ここでA→∞とすると、Vb0

従って、

これより、

 

 

 

が得られる。

 同様にして下記の回路が計算できる。

 

(2)     同相増幅回路(非反転増幅回路)


 

 


(3)     積分回路


 

 


(4)     微分回路*