■塚本研究者の研究結果 |
フェムト秒パルス・レーザによる超高速スピン制御・計測 |
回転していない独楽が倒れやすいように、角運動量のないときに磁化が高速で反転しやすいという発想を基礎に、光による超高速な磁化反転を実現した。 この角運動量補償点を利用する方法は、新しいデバイス構築への挑戦的な研究と言える。具体的には以下の成果を得た。 (1)フェリ磁性体補償点利用スピン動特性制御 (2)極短時間加熱利用超高速スピン制御 (3)光-スピン直接制御による非熱利用超高速磁化反転 の3課題に取り組み、いずれも所期の成果を得ただけでなく、高速磁化反転時の磁気モーメントの挙動では当初予想を超える興味深い結果を得た。 とくに、超短パルス光照射によってピコ秒オーダーの超高速プリセッショナルスイッチングができることを実証したことは、2Tbit/in2を超える超高密度磁気記録のキーテクノロジーである光アシスト磁気記録にひとつの方向性を与えたものと評価でき、今後、日本における超高速磁気記録技術を先導する存在になるものと期待している。 |