■齊藤研究者の研究結果 |
誘電体スピントロニクス材料開拓とスピン光機能 |
齊藤研究者は、応募前すでに逆スピンホール効果によって金属に注入されたスピンの流れを電気信号としてとりだすことに成功していたが、本領域に応募するに当たって、あえて金属でなく「誘電体」においてスピンの流れを伝搬させるという困難な課題を選んだ。 彼は、①スピンホール効果により電流をスピン流に転換→②スピントルク効果で金属から誘電体にスピン波を転送→③スピン波スピン流を誘電体に沿って伝搬→④スピンポンピングによって金属にスピン波を励起→⑤逆スピンホール効果で電圧として取り出す、というストーリーを立て、②、③、④を順次実証し、最終的にこれらを総合して、世界で初めて「スピン流を使って誘電体に電気を流す」ことに成功した。彼は、さらに誘電体において、熱流をスピン流に変えて逆スピンホール効果で電圧に変換するスピンゼーベック効果を実証したが、この成果は企業からも注目されている。 このように、齊藤研究者は、本さきがけ研究を通じて、スピン流の学理と応用において世界をリードする立場を確固たるものにした。彼の仕事に対する社会の評価は高く、サー・マーチンウッド賞、学士院研究奨励賞はじめ、多数の賞を受賞したほか、22年度にはCRESTにも採択され、スピン流の研究をさらに発展させており、スピン流イノベーションの推進役として活躍が期待される。 |
サイエンスニュース(JSTのインターネットでの動画ニュース)に紹介された。
絶縁体で電気信号を伝える電子スピン流 |
10/3/11 齊藤英治研究者が文科省記者クラブでプレスレク「絶縁体に電気信号を流すことに成功」 ■佐藤研究総括による解説 毎日新聞、河北新報が一面掲載。東京新聞、日経産業新聞に掲載されたほか、共同通信、時事通信、アサヒコム、日刊工業新聞のネットニュースに流れた。3/12には読売新聞夕刊、3/13には産経新聞にも掲載された。 |