■葛西研究者の研究結果 |
確率共鳴を利用した新しい情報処理のためのナノデバイスと集積化 |
葛西研究者の提案は、通常のエレクトロニクスでは嫌われ者である「雑音」やデバイス特性の「ゆらぎ」を逆手にとって、「確率共鳴」によって雑音や揺らぎを利用して、エレクトロニクスデバイスの機能向上を図ろうというものである。 それまで「確率共鳴」現象は生体機能性との関係でよく知られていたが、実証実験はほとんどなかった。 葛西研究者は、この仮説を、ナノエレクトロニクスを用いて実証するため、半導体ナノワイヤネットワークを電気的に制御する技術を駆使し、実際にノイズを加えて応答性がよくなることを半導体チップ上で実証した。さらに、特筆すべきは本質的にノイズやばらつきの影響をうけやすい「単電子デバイス」において、確率共鳴を用いて室温動作を目指す研究を行ったたことで、通常1ビットあたり10000電子以上が必要であるデバイスで、並列化によっても100電子程度に抑えられることを見いだし、超消費電力化への道筋を拓いた。 本さきがけ研究での成果がきっかけとなって、確率共鳴の研究コミュニティが国際的にできつつあり、今後の発展が大いに期待できる。 |
(JSTのインターネットでの動画ニュース)に紹介された。
確率共鳴を利用する電子ナノデバイスの開発 |