佐藤研究室の研究テーマ

 化合物半導体の結晶成長と光学的評価

  1. 研究概要
    カルコパイライト構造を持つT-V-Y2族三元化合物半導体は、UY族、VX族を補完する 新しい半導体材料として注目されている。当研究室では、CuAlS2, CuGaS2, CuInS2, CuAlSe2, CuGaSe2, CuInSe2など一連の三元化合物について、結晶成長、薄膜成長を行い、 そのキャラクタリゼーションを行ってきた。特に、これらの物質の電気的光学的性質を支配する不純物、欠陥の制御のための 基礎データの蓄積を行ってきた。Feを中心とするすべての3d遷移金属不純物, Tbを中心とする希土類不純物, およびMo不純物について、光スペクトルおよびESRにより電子状態をほぼ 明らかにした。また、ICB成膜法によるCuInSe2薄膜の低温成長に取り組み、太陽電池用の膜が300度の低温で作製可能であることを明らかにした。1999年からは、II-IV-V2型カルコパイライトにも取り組んでいる。  そのほか、SrGa2S4などのチオガレート、ZnAl2S4などのディフェクトカルコパイライトの作製と光学的評価も行った。  1998年より、天然に豊富に存在するパイライト(黄鉄鉱)FeS2についても太陽電池をめざして薄膜の作製、光電効果の測定を行っている。
  2. 研究成果

     磁性体の磁気光学的研究と光磁気デバイスへの応用

    1. 研究概要
      磁気光学効果は光磁気記録のキーテクノロジーである。当研究室では、アモルファス磁性体、化合物磁性体、 磁性半導体、金属人工格子、人工規則合金などさまざまな磁性材料の成長を行うとともに、磁気光学スペクトルを 非常に広範な波長領域について測定し、新しい光磁気材料探索に取り組むとともに、磁気光学効果の起源となる 電子構造を明らかにしてきた。現在、半導体基板への磁性体のエピタキシャル成長に取り組むとともに、超微細構造 の創製に向けて基礎的な取り組みを行っている。特に電子ビームリソグラフィを用いてシリコン基板を加工し、磁性体を埋め込んだパターンドディスク構造の作製を行っている。また、微小領域磁性の観測手段として近接場磁気光学顕微鏡を開発、さらに、非線形磁気光学効果による表面界面の評価を行っている。

    2. 研究成果

     酸化物高温超伝導薄膜の結晶成長とデバイス応用

    1. 研究概要
      Bi系高温超伝導体は、臨界温度(Tc)110 Kを持ち、大気中で安定であるという特徴を持つが、その結晶成長の難しさから 良質の薄膜を得ることが困難であった。当研究室では、分子線エピタキシー(MBE)法により、原子・分子レベルでの結晶成長 を行い、良質の薄膜の作製に成功した。さらに、その薄膜を用いて粒界型ジョセフソン接合の作製及び評価をおこなってきた。 その結果、Bi系を用いたこの型の接合において初めて、交流ジョセフソン効果を確認している。 現在、Bi系特有のイントリンジック(固有)ジョセフソン効果を用いたデバイスをめざす研究を進めている。1999年以降、磁性体/Bi系超伝導体の接合を作製し、スピン注入による現象を見いだした。

    ■現在進めている研究テーマ
    1.  カルコパイライトにおけるフェルミ準位の人工的制御によるエレクトロクロミズムの発現
         (平成8,9年度科研費萌芽研究)

    2.  近視野磁気光学顕微鏡による磁性体微細構造の観測と評価
         (平成7,8、9年度科研費基盤研究A(試験))>

    3.  非線形磁気光学効果による金属人工格子、磁性体/半導体超構造の評価
         (平成8、9年度科研費基盤研究B)
    4.  ペロブスカイト型酸化物磁性体・超伝導体のMBE成長とデバイスへの応用
         (平成7,8年度科研費重点領域研究「モット転移」、平成8年度科研費奨励研究)
    5.  微小領域の磁性に関する測定技術の開発
         (平成9-11年度科研費特定領域研究「微小領域の磁性と伝導」

    6.  磁性体/半導体ヘテロ構造および微細構造の作製
          (平成10-12年度科研費基盤研究B)
    7.  高温超伝導体の電磁波放出の非線形光学効果による研究     (平成11年度奨励研究(A):石橋隆幸)
    8.  3次元フォトスピニック結晶の作製と評価     (平成11年度科研費基盤研究B:森下義隆)  

    ■上記テーマに関する主要論文・著書

    研究業績をご覧下さい。


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