エレクトロニクスII 佐藤勝昭教員 金曜1限94番教室 2003年度第1回配付資料03.10.03

ホームページhttp://www.tuat.ac.jp/~katsuaki/Electronics/El2003.html

E-mail: satokats@cc.tuat.ac.jp Office: 4号館514号室(042-388-7120)

教科書:竹村裕夫著「電子回路の基礎」(コロナ社)

エレクトロニクスIIで何を学ぶか。

現在社会は、さまざまな「エレクトロニクス」の恩恵を受けている。いまをときめくIT(情報技術)もエレクトロニクスなしには、成立しません。エレクトロニクス(Electronics)の語源は言うまでもなく電子electronですから、電子工学という訳語が当てられましたが、対象はもとの狭い意味から、電子スピン、光、電力、医学、生物学まで含有する広い概念となり、スピンエレクトロニクス、光エレクトロニクス、パワーエレクトロニクス、メディカルエレクトロニクス、バイオエレクトロニクスなどの言葉を生み出しています。

エレクトロニクスIIVの講義は、本来、物理システム工学科の学生に、エレクトロニクスのスキルを身につけさせようという意図でH12年度入学生のカリキュラムから設けられました。これまでエレクトロニクスIで回路理論、IIで電子回路、IIIで回路製作の実体験、IVで光エレクトロニクスを学ぶ構成になっています。エレクトロニクスIIでは、やさしい教科書を用いながら、ダイオード、トランジスタの動作原理、動作させるためのバイアス回路、トランジスタを用いた増幅回路、オペアンプなどを学習するようにしてきました。しかし、1限ということと、学生になじみのない実際的な学習ということもあって、学生の学習意欲は必ずしも高くありませんでした。さらに、エレクトロニクスIで回路基礎が身についていないということもあって、期末テストの平均点、2001年度56点、2002年度61点と低く、十分な学習効果を上げることができませんでした。学生からの評価については、大部分の学生がこの講義の意義については、「工学部の学生として知っておくべき(77%)」、「研究室での実験のために必要(21%)」など肯定的ですが、講義内容については「学んだ電子回路が実際にどのように活かされているのかを知りたい。」「トランジスタの動作点の決め方などは手続き的には易しいので理解できたが、やったことが実際にどのようにつながるのか今ひとつわからない。」「演習問題ではじめて意味がわかった」と、実用的なエレクトロニクスにどう活用されるかを知りたがっていることがわかりました。

そこで、今年度のエレクトロニクスIIでは、やり方を変えます。教科書としては「電子回路の基礎」の教科書を使いますが、やさしく書かれているので、やる気にさえなれば君たちの学力があれば自分で学習できるので詳細な説明はせず、現代のエレクトロニクス一般の現状と展望を概説し、電子回路を学ぶモチベーションを与えることとし、教科書の内容は、宿題・演習の形で進めたいと思います。

 

シラバス

第1回 (03.10.03) 暮らしの中のエレクトロニクス:

こんなところにマイコンが・・! [電子レンジ、洗濯機、エアコン、ゲーム機、デジカメ、携帯電話、デジタル体温計、Suicaカード、自動販売機、スーパーのレジ、ビデオ、ステレオ、カーナビ、DVDプレーヤ、MDプレーヤ・・] 

 [宿題] 物理システム実験I,IIと同じグループに分かれて、新聞に出たエレクトロニクスの記事を調べたり、あるいは、身の回りのエレクトロニクスの仕組みを調べて、面白かったこと、分かったこと、何が分からなかったか、何を学びたいかをグループ毎にまとめて下さい。提出:10/17、第4回(10/24)のときにプレゼンをしてもらいます。

第2回 (03.10.10)  ダイオードの働きを知ろう

整流って知っていますか:半波整流回路、全波整流回路、平滑化

ACアダプターを分解してみよう

ダイオードのはたらき、pn接合概論

 [次週への自習課題] 半導体とは何か。金属と半導体はどう違うのか。(たとえば、越田・佐藤著「応用電子物性工学」コロナ社)

第3回 (03.10.17) 半導体について知ろう、pn接合の原理を知ろう

導電率から見た半導体の位置づけ、導電率の温度変化の特徴、

シリコン、ガリウムヒ素、窒化ガリウム・・・、こんなにいろいろある半導体

pn接合、ショットキーダイオード

[宿題] ダイオードの電圧・電流特性、ダイオード回路、(教科書p19 練習問題1−5)提出:10/31

 

第4回 (03.10.24) 第1回宿題で調べたことのプレゼンテーション(グループ毎)

「何が面白かったか、何が分からなかったか、授業で何を学びたいか。」を発表して下さい。そのうちどの話題を手がかりに第6回以降の講義をするかをみんなで話し合います。

 [次週への予習課題] トランジスタとは何か。トランジスタを使うとなぜ電圧を増幅できるのか。(「電子回路の基礎」p.21)

第5回 (03.10.31) トランジスタを知ろう

 

11.7は学園祭休講

第6回 (03.11.14)、第7回 (03.11.21)、第8回 (03.11.28)、第9回 (03.12.05)、第10 (03.12.12)、第11 (03.12.19)、第12 (04.01.09)、第13 (04.01.23)、第14 (04.01.30)、第15 (04.02.06)の内容は、未定です。

03.12.23-04.01.06は冬季休業、04.01.16はセンター入試準備のため休講

期末テスト(04.02.13)